炉筒煙管ボイラー
各構造の名称と役割
- 炉筒(燃焼室):燃焼ガスが最初に通る。円筒形の大きな管。一次的な熱交換
- 煙管:炉筒の燃焼ガスが通る。細い多数の管。伝熱面を稼ぎ効率的に水を加熱
- 保有水量:炉筒と煙管の周りに大量の水がある(うち炊き式)
問われやすいポイント
- 「炉筒と煙管」という言葉の定義。
- 「煙管を多数設ける理由」→ 「伝熱面積を大きくするため」。
2. メリット(試験に出る「長所」)
- 負荷変動に強い:
- 理由: 保有水量が多いため、急な蒸気使用量の増減(負荷変動)があっても、ボイラー内の熱容量が大きいため、圧力や水位の変動が少ない。
- キーワード: 「負荷変動に強い」「圧力変動が少ない」「安定した蒸気供給」。
- 水処理が比較的容易:
- 理由: 保有水量が多く、水中の不純物が濃縮されにくい。水管ボイラーに比べて、水質管理が厳密でなくても運転が可能。
- キーワード: 「水処理が容易」「水質管理が簡易」。
- 構造がシンプルで頑丈:
- 理由: 円筒形で圧力に強い構造のため、耐久性が高い。
- キーワード: 「構造が簡単」「耐久性が高い」「長寿命」。
- メンテナンスがしやすい:
- 理由: 水管ボイラーのように複雑な管の配列がなく、清掃や点検が比較的簡単。
【試験での出題例】
- 「炉筒煙管ボイラーは、保有水量が少ないため、負荷変動に弱い」→ 誤り(保有水量は多く、負荷変動に強い)
- 「貫流ボイラーに比べて水質管理が厳格でなければならない」→ 誤り(貫流ボイラーより厳格ではない)
3. デメリット(試験に出る「短所」)
- 起動に時間がかかる:
- 理由: ボイラー内に大量の水があるため、この水を温めるのに時間がかかる。
- キーワード: 「起動時間が長い」「応答性が悪い」。
- 最高使用圧力に限界がある:
- 理由: 炉筒が円筒形であるため、高圧にすると板厚を厚くする必要があり、製造コストが増す。このため、一般的に高圧のボイラーには適さない。
- キーワード: 「高圧には不向き」「低圧、中圧向き」。
- 設置スペースが大きい:
- 理由: 水を多く保有する構造上、ボイラー本体が大型になる。
- キーワード: 「設置スペースを要する」。
【試験での出題例】
- 「炉筒煙管ボイラーは、起動時間が短いため、急な蒸気需要の立ち上がりに適している」→ 誤り(起動時間は長い)
- 「最高使用圧力は、水管ボイラーより高いのが一般的である」→ 誤り(水管ボイラーの方が高圧向き)
4. 重点的に覚えるべき比較対象
試験では、貫流ボイラーや水管ボイラーとの比較で問われることが非常に多いです。
| 特徴 | 炉筒煙管ボイラー | 貫流ボイラー | 水管ボイラー |
| 保有水量 | 多い | 少ない | 比較的多い |
| 起動時間 | 長い | 短い | 比較的長い |
| 負荷変動 | 強い | 弱い | 強い |
| 水処理 | 比較的容易 | 非常に厳格 | 比較的厳格 |
| 圧力 | 低圧・中圧 | 高圧 | 高圧・大容量 |
| 構造 | 単純 | 複雑 | 複雑 |
この比較表を頭に入れておくと、正誤問題で非常に役立ちます。
まとめ
- 「保有水量が多い」 という最大の強み。
- 保有水量が多いことによる**「負荷変動に強い」と「起動に時間がかかる」**というメリット・デメリット。
- 構造がシンプルで**「耐久性が高い」**こと。
- **「低圧・中圧向き」**であること。
煙管ボイラー
煙管ボイラーは、その構造によって「炉筒煙管ボイラー」と「立形煙管ボイラー」に大別されます。先ほど解説した炉筒煙管ボイラーも煙管ボイラーの一種ですが、試験では「煙管ボイラー」という大きな括りで問われることもあります。
1. 煙管ボイラーの定義と基本的な仕組み
- 定義: 燃焼ガスが管の中を通り、管の周りの水を温めて蒸気を発生させるボイラーの総称。
- 仕組み: 燃焼ガス(熱源)と水が、伝熱面(煙管)を隔てて熱交換を行う。
2. 煙管ボイラーの共通の特徴(炉筒煙管と立形煙管に共通する点)
- 保有水量が多い:
- 煙管ボイラー全体に言える特徴。ボイラー胴内に大量の水を保有している。
- これにより、負荷変動に強く、安定した蒸気供給が可能。
- 【問われやすいポイント】: 「煙管ボイラーは貫流ボイラーに比べて保有水量が少ない」→ 誤り
- 起動に時間がかかる:
- 保有水量が多いことのデメリット。水を温めるのに時間がかかるため、起動に時間がかかる。
- 【問われやすいポイント】: 「煙管ボイラーは起動時間が短い」→ 誤り
- 水処理が比較的容易:
- 保有水量が多いので、不純物が濃縮されにくく、貫流ボイラーほど厳密な水質管理は求められない。
- 低圧・中圧向き:
- 煙管ボイラーは、構造上、水管ボイラーのような超高圧には向かない。
- 【問われやすいポイント】: 「水管ボイラーより高圧にしやすい」→ 誤り
3. 立形煙管ボイラーについて(特に試験で問われる点)
立形煙管ボイラーは、ボイラー胴が垂直(立形)になっているタイプの煙管ボイラーです。
- 構造:
- 縦置きの円筒胴の内部に、燃焼室(火室)と多数の煙管が配置されている。
- 燃焼ガスは、火室から上部の煙管を通り、煙突へ排出される。
- メリット(試験での長所):
- 設置スペースが小さい: 横置きの炉筒煙管ボイラーに比べて、床面積を小さくできる。
- 【問われやすいポイント】: 「立形煙管ボイラーは、横形に比べて設置面積が広い」→ 誤り
- デメリット(試験での短所):
- 保有水量が少ない: 炉筒煙管ボイラーに比べて保有水量が少ないため、負荷変動に対する安定性はやや劣る。
- 水循環が悪い: 縦型のため、水循環が横型に比べて不均一になりやすい。
- 点検・清掃が困難: 煙管が垂直に配置されているため、特に下部の清掃が難しい。
- 【問われやすいポイント】: 「立形煙管ボイラーは、炉筒煙管ボイラーに比べて掃除が容易である」→ 誤り
4. 炉筒煙管ボイラーと立形煙管ボイラーの比較(これも試験に出やすい)
| 特徴 | 炉筒煙管ボイラー | 立形煙管ボイラー |
| 設置方向 | 横形 | 縦形 |
| 設置スペース | 広い(床面積) | 狭い(床面積) |
| 保有水量 | 多い | 比較的少ない |
| 負荷変動 | 強い | やや弱い |
| メンテナンス | 比較的容易 | 比較的困難 |
| 最高圧力 | 炉筒を持つため高圧化が困難 | 構造上、炉筒煙管よりは高圧化が可能だが、水管ボイラーには及ばない |
【試験での出題例】
- 「立形煙管ボイラーは、炉筒煙管ボイラーに比べて、設置に必要な床面積が小さい」→ 正しい
- 「立形煙管ボイラーは、水循環が良好で、ボイラー内部のスケール付着が少ない」→ 誤り
まとめ
煙管ボイラー全体の共通点として、「保有水量が多い」「起動が遅い」「低圧・中圧向き」をしっかり覚えてください。
炉筒ボイラー
炉筒ボイラーは、ボイラーの胴体内に「炉筒」と呼ばれる燃焼室が組み込まれているボイラーです。煙管ボイラーの一種である「炉筒煙管ボイラー」の「炉筒」部分のみで熱交換を行うボイラー、と考えれば分かりやすいでしょう。
1. 炉筒ボイラーの構造と仕組み
- 構造:
- 円筒形のボイラー胴の内部に、大きな「炉筒」が通っている。
- バーナーで燃焼させたガスは、この炉筒内を通り、その周囲にある水を温める。
- 煙管がないため、燃焼ガスは炉筒を通った後、直接煙突に排出される。
- 熱交換:
- 熱交換は主に炉筒の表面のみで行われる。
2. メリット(試験に出る「長所」)
- 構造が非常に単純:
- 煙管がないため、構造が非常にシンプル。
- 【問われやすいポイント】: 「煙管ボイラーよりも構造が複雑である」→ 誤り
- 製造・清掃が容易:
- 構造がシンプルなため、製造コストが安く、メンテナンスや清掃も簡単。
- 保有水量が多い:
- 炉筒煙管ボイラーと同様に、ボイラー胴内に大量の水を保有している。
- これにより、負荷変動に強く、安定した蒸気供給が可能。
3. デメリット(試験に出る「短所」)
- 伝熱面積が小さい:
- 煙管がないため、水を温めるための伝熱面積が非常に小さい。
- 【問われやすいポイント】: 「炉筒煙管ボイラーに比べて伝熱面積が大きい」→ 誤り
- 熱効率が悪い:
- 伝熱面積が小さいため、燃焼ガスの熱を十分に水に伝えきることができず、熱効率が悪い。
- 【問われやすいポイント】: 「炉筒煙管ボイラーよりも熱効率が高い」→ 誤り
- 大型化しにくい:
- 伝熱面積を大きくするためには、ボイラー胴を非常に大きくする必要があり、実用上、大容量化には向いていない。
- 起動に時間がかかる:
- 保有水量が多いことから、水を温めるのに時間がかかる。
4. 炉筒ボイラーと炉筒煙管ボイラーの比較(特に重要)
試験では、**「炉筒ボイラー」と「炉筒煙管ボイラー」の違いを問う問題が頻出します。この二つの違いは、「煙管があるかないか」**です。
| 特徴 | 炉筒ボイラー | 炉筒煙管ボイラー |
| 煙管の有無 | なし | あり |
| 伝熱面積 | 小さい | 大きい |
| 熱効率 | 悪い | 良い |
| 構造 | 非常に単純 | 比較的単純 |
| 製造・清掃 | 非常に容易 | 比較的容易 |
【試験での出題例】
- 「炉筒ボイラーは、炉筒煙管ボイラーに比べて、伝熱面積が大きく、熱効率に優れている」→ 誤り(伝熱面積は小さく、熱効率は劣る)
- 「炉筒ボイラーは、煙管を有しないため、清掃が容易である」→ 正しい
まとめ
炉筒ボイラーは、**「シンプルさ」と「熱効率の悪さ」がキーワードです。 特に、「煙管がないこと」が、「伝熱面積が小さい=熱効率が悪い」**という欠点につながることを、しっかりと理解しておいてください。



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