ボイラーにおけるシーケンス制御の主な流れ
ここでは、最も一般的なボイラーの起動シーケンスを例に説明します。
- 起動前チェック (Pre-Check)
- 入力: ボイラーの起動スイッチが押される。
- 処理: まず、安全な着火のための前提条件が満たされているかを確認します。
- ボイラー内の水量が適正か?
- 炉内や煙道に未燃ガスが残っていないか?(後述のパージ工程が重要)
- 燃料供給ラインのバルブが閉まっているか?
- 出力: すべての条件が満たされれば、次のステップに進む。一つでも条件が満たされなければ、アラームを鳴らして停止する。
- パージ (Purge)
- 入力: 起動前チェックの条件が満たされた。
- 処理: 燃焼用のファンを一定時間(数十秒~数分)作動させ、炉内や煙道に溜まった未燃ガスを強制的に排出(換気)します。
- 出力: 規定のパージ時間が経過したことを確認し、次のステップに進む。
- 着火 (Ignition)
- 入力: パージが完了した。
- 処理:
- まず、パイロットバーナー(着火用の小さな炎)に点火します。
- パイロットバーナーの炎が正常に着火したことを炎検知器(フレームアイ)で確認します。
- 確認後、主バーナーに燃料を供給し、着火させます。
- 出力: 主バーナーが正常に着火したことを確認し、次の運転ステップに進む。
- 定常運転 (Normal Operation)
- 入力: 主バーナーが着火した。
- 処理: ボイラー内の圧力や温度、水位を監視し、それぞれが設定値の範囲内になるように、燃料や空気の供給量を自動で調整します(これはシーケンス制御というより、フィードバック制御の要素が強いです)。
- 出力: 燃料供給量、空気供給量の調整、給水ポンプのオンオフなど。
- 停止 (Shutdown)
- 入力: 停止スイッチが押された、または運転終了の信号が出された。
- 処理: 燃料供給を停止し、バーナーの火を消します。その後、炉内を再び換気(ポストパージ)して、未燃ガスが残らないようにします。
- 出力: ボイラーの運転停止。
インターロック(安全装置)の役割
シーケンス制御を支える重要な要素が「インターロック」です。これは、特定の安全条件が満たされない限り、機器の動作をロックする仕組みです。
ボイラーのインターロックの例:
- 水位低下インターロック: ボイラー内の水位が危険なレベルまで下がると、自動的に燃料供給を停止してボイラーを停止させます。
- 圧力異常上昇インターロック: 蒸気圧力が上限を超えると、燃料供給を停止し、圧力がさらに上がるのを防ぎます。
- 失火検知インターロック: 着火に失敗したり、運転中に炎が消えたりした場合、直ちに燃料供給を停止し、未燃ガスの充満を防ぎます。
これらのシーケンス制御とインターロックは、ボイラーの安全な運転を支える上で不可欠な技術であり、万が一の事故を防ぐために何重にもわたる安全対策が組み込まれています。


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