2級ボイラー技士試験の各ボイラーの特徴と問われやすいポイント

2級ボイラー技士

試験では、「丸ボイラー」という言葉が、「炉筒煙管ボイラー」や「立形煙管ボイラー」などの円筒形の胴を持つボイラーの総称として使われることがあります。

このため、単に「丸ボイラー」と問われた場合は、その共通する特徴を押さえることが重要です。


試験対策:丸ボイラー(炉筒煙管ボイラー・立形煙管ボイラー)の比較ポイント再確認

1. 丸ボイラーの共通の特徴

「丸ボイラー」と呼ばれるタイプ(炉筒煙管、立形煙管、単なる炉筒ボイラーなど)に共通する特徴は以下の通りです。これらは、水管ボイラーや貫流ボイラーとの比較で頻繁に出題されます。

  • 保有水量が多い: ボイラー胴内に大量の水を保有している。
    • 結果: 負荷変動に強く、安定した蒸気供給が可能。
    • デメリット: 起動に時間がかかる。
  • 構造が単純・頑丈: 円筒形の胴を持つため、製造が比較的容易で、圧力に対する強度が高い。
  • 低圧・中圧に適している: 構造上、水管ボイラーのような超高圧には向かない。
  • 水処理が比較的容易: 保有水量が多いので、水中の不純物が濃縮されにくく、水質管理が簡易的で済む。

2. 丸ボイラー内部の種類別の比較

試験では、同じ丸ボイラーの仲間である「炉筒煙管ボイラー」と「立形煙管ボイラー」を比較する問題も出ます。それぞれの違いを明確に覚えておきましょう。

特徴炉筒煙管ボイラー立形煙管ボイラー
ボイラーの形横形(横置き)縦形(縦置き)
設置スペース広い(床面積)狭い(床面積)
保有水量多い比較的少ない
負荷変動強いやや弱い
メンテナンス比較的容易比較的困難
水循環比較的良好比較的悪い

【比較のポイント】

  • 床面積: 「横形」か「縦形」かで、必要な床面積が逆になる。
  • 保有水量: 炉筒煙管の方が大きく、その結果として負荷変動に強い。
  • メンテナンス: 立形は煙管が垂直なので、特に下部の清掃が難しい。

3. 丸ボイラーと水管ボイラー・貫流ボイラーの比較

これが最も重要な比較です。試験では、この3つのタイプを混在させて、長所と短所を問う問題が頻出します。

特徴丸ボイラー <br>(炉筒煙管ボイラーなど)水管ボイラー貫流ボイラー
水の通り道胴体内に水を入れ、ガスが管内を通る胴体内にガスを入れ、水が管内を通る細い管に水を通し、ガスで加熱
保有水量多い比較的少ない非常に少ない
起動時間長い短い非常に短い
圧力低圧・中圧高圧・大容量高圧・超高圧
伝熱効率比較的良い良い非常に良い
水処理比較的容易厳格非常に厳格
設置スペース比較的大きい比較的大きい非常に小さい
安全性破裂危険性あり破裂危険性が低い破裂危険性が低い

【試験での出題傾向】

  • 「丸ボイラーは、保有水量が多いので、貫流ボイラーより起動が速い」→ 誤り(保有水量が多いので、起動は遅い)
  • 「水管ボイラーは、丸ボイラーに比べて、高圧の蒸気発生に適しており、水処理が容易である」→ 誤り(高圧には適するが、水処理は厳格)

まとめ

丸ボイラーという言葉を見たら、**「保有水量が多い」ことがすべての特徴の出発点だと考えてください。そこから、「負荷変動に強いが、起動が遅い」**という長所・短所を導き出せるようにしておきましょう。

また、**「水管ボイラー」「貫流ボイラー」**は、これと逆の特徴を持っていると対比して覚えると、記憶に残りやすくなります。

これらのポイントをしっかり押さえておけば、試験問題で混同することなく正解にたどり着けるはずです。引き続き頑張ってください!

鋳鉄製ボイラーもまとめて

2級ボイラー技士試験対策として、鋳鉄製ボイラーについてまとめます。


試験対策:鋳鉄製ボイラーの特徴と問われやすいポイント

鋳鉄製ボイラーは、その名の通り、ボイラーの本体(胴体)が鋳鉄で作られているボイラーです。主に暖房用や給湯用として利用され、産業用ボイラーとは異なる特徴を持っています。試験では、鋼板製ボイラーとの比較で問われることが多いです。

1. 構造と仕組み

  • 構造:
    • 鋳鉄製の複数のセクション(ブロック)を、ニップルやボルトなどで組み立ててボイラー本体を形成する。
    • セクションの内部に、燃焼ガスが通る通路と水が循環する通路がある。
  • 仕組み:
    • バーナーで燃焼させたガスがセクション内部の通路を通り、その熱でセクション内の水を温める。

2. メリット(試験に出る「長所」)

  1. 腐食に強い:
    • 理由: 鋳鉄は、鋼板に比べて腐食しにくい性質がある。
    • 【問われやすいポイント】: 「鋼板製ボイラーは鋳鉄製ボイラーより腐食に強い」→ 誤り
  2. 修理・交換が容易:
    • 理由: ボイラー本体が複数のセクションで構成されているため、損傷したセクションのみを交換することが可能。
  3. 大容量化が可能:
    • 理由: セクションの数を増やすことで、比較的容易にボイラーの容量を大きくできる。

3. デメリット(試験に出る「短所」)

  1. 高圧・高温度に弱い:
    • 理由: 鋳鉄は、鋼板に比べて引張強度や延性が低いため、高圧や急激な温度変化に弱い。このため、最高使用圧力や最高使用温度が低く設定されている。
    • 【問われやすいポイント】: 「鋳鉄製ボイラーは、高圧の蒸気発生に適している」→ 誤り
  2. 熱衝撃に弱い:
    • 理由: 鋳鉄は、急な温度変化(熱衝撃)に弱く、ひび割れや破損の原因となる。冷水を急に供給すると、損傷する可能性がある。
    • 【問われやすいポイント】: 「ボイラー水が減少した際、冷水を急いで補給する」→ 危険な行為であり、試験では誤りとなる。
  3. 大型化すると漏水しやすい:
    • 理由: セクションを多数つなぎ合わせる構造のため、接続部分(ニップルなど)が多くなり、そこから漏水するリスクが高まる。

4. 鋳鉄製ボイラーと鋼板製ボイラーの比較

試験で最も重要なのは、この二つの材料特性による違いを理解することです。

特徴鋳鉄製ボイラー鋼板製ボイラー
材料鋳鉄鋼板
圧力・温度低圧・低温度高圧・高温度
腐食耐性強い弱い
熱衝撃弱い強い
延性・引張強度小さい大きい
修理・交換容易(セクション単位)困難(全体交換)
漏水リスク高い(接続部)低い

【試験での出題例】

  • 「鋳鉄製ボイラーは、鋼板製ボイラーに比べて、熱衝撃に強く、高圧の蒸気発生に適している」→ 誤り
  • 「鋳鉄製ボイラーは、鋼板製ボイラーよりも腐食に強く、損傷した場合は部分的に修理が可能である」→ 正しい

まとめ

鋳鉄製ボイラーのキーワードは、**「腐食に強い」「高圧・熱衝撃に弱い」**です。

  • **「腐食に強い」**は、鋳鉄という素材の長所。
  • **「高圧・熱衝撃に弱い」**は、鋳鉄という素材の短所。

試験対策:水管ボイラーの特徴と問われやすいポイント

水管ボイラーは、ボイラーの胴体(ドラム)の外部に、水を満たした多数の「水管」を配置し、その水管の周りを燃焼ガスで加熱して蒸気を作るタイプのボイラーです。炉筒煙管ボイラーとは水とガスの通り道が逆になっていると考えると分かりやすいでしょう。

1. 構造と仕組み

  • 構造:
    • 上部と下部にドラムがあり、その間を多数の細い水管でつないでいる。
    • 水管の外側が燃焼室となっており、燃焼ガスが水管の周りを流れる。
  • 仕組み:
    • ドラムから水管に水が流れ込み、高温の燃焼ガスに直接囲まれることで急速に加熱されて蒸発する。
    • 蒸気と水の混合物は上部のドラムに戻り、蒸気は分離されて取り出される。

2. メリット(試験に出る「長所」)

  1. 高圧・大容量に適している:
    • 理由: 細い水管は、太い炉筒よりも高圧に耐える構造にしやすい。このため、高圧・大容量の蒸気が必要な火力発電所などで広く用いられる。
    • キーワード: 「高圧」「大容量」「発電所」。
  2. 起動時間が短い:
    • 理由: 炉筒煙管ボイラーに比べて、ボイラー全体の保有水量が少ない。また、水管が細いため、水が早く温まる。
    • キーワード: 「起動が速い」「応答性が良い」。
  3. 伝熱効率が高い:
    • 理由: 水管の外側から直接燃焼ガスが当たるため、熱交換が効率的に行われる。
  4. 破壊時の危険性が少ない:
    • 理由: 多数の細い水管に水が分散しているため、もし管が破裂しても被害は限定的である。炉筒煙管ボイラーのように大容量の水が一気に噴出するような爆発は起こりにくい。
    • キーワード: 「安全性が高い」「爆発危険性が低い」。

3. デメリット(試験に出る「短所」)

  1. 水質管理が厳格:
    • 理由: 細い水管内部に不純物が付着すると、伝熱効率が低下したり、管が閉塞したりする危険がある。このため、非常に厳密な水質管理(ボイラー水の処理)が求められる。
    • キーワード: 「水処理が重要」「厳格な水質管理」。
  2. 構造が複雑で高価:
    • 理由: 多数の水管を配置するため、構造が複雑になり、製造コストが高くなる。
  3. メンテナンスが困難:
    • 理由: 複雑な構造のため、水管内部の清掃や点検が炉筒煙管ボイラーに比べて難しい。

4. 他のボイラーとの比較(試験で頻出)

2級ボイラー技士試験では、各ボイラーの特性を比較する問題が非常に重要です。

特徴炉筒煙管ボイラー水管ボイラー貫流ボイラー
保有水量多い比較的少ない非常に少ない
起動時間長い短い非常に短い
圧力低圧・中圧高圧・超高圧高圧・超高圧
伝熱効率比較的良い良い非常に良い
水処理比較的容易厳格非常に厳格
設置スペース比較的大きい比較的大きい非常に小さい
安全性破裂危険性あり破裂危険性が低い破裂危険性が低い

【試験での出題例】

  • 「水管ボイラーは、炉筒煙管ボイラーに比べて、保有水量が多く、起動時間が長い」→ 誤り(保有水量は少なく、起動時間は短い)
  • 「水管ボイラーは、高圧・大容量の蒸気発生に適しており、水処理が比較的容易である」→ 誤り(水処理は厳格)

まとめ

水管ボイラーは、**「高圧・大容量」「起動が速い」が最大の強みです。その反面、「厳格な水質管理」「複雑な構造」**という弱点をしっかり押さえておくことが、試験合格への鍵となります。

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