ボイラーの疑問を解明:返り管の取り付け方が違うのはなぜ?
ボイラーからラジエーターへ送られた蒸気は、熱を放出して水(復水)に戻った後、**返り管(戻り管)**を通って再びボイラーへ戻されます。この返り管の取り付け方には、ボイラーの循環方式によって明確な違いがあります。
循環方式の2つのタイプ
ボイラーの暖房システムにおける復水の循環方式は、主に以下の2つに分けられます。
- 重力循環方式:復水が持つ重力のみを利用してボイラーへ戻す方式です。
- ポンプ循環方式:ポンプの力で復水を強制的にボイラーへ戻す方式です。
返り管の取り付け位置の決定的な違い
この2つの方式では、返り管の取り付け位置が全く異なります。
- 重力循環方式の場合: 返り管は、ボイラーの最も低い位置に接続されます。これは、復水が勾配に沿って自然に流れ込むようにするためです。復水には、ボイラーに戻るための「押し出す力」が重力しかありません。そのため、配管全体に厳密な下り勾配をつけ、ボイラーの最下部へスムーズに流れ込ませる必要があるのです。
- ポンプ循環方式の場合: 返り管は、ボイラーの最下部ではなく、復水を吸い上げる給水ポンプの吸い込み側に接続されます。この方式では、復水を押し戻す力がポンプによって供給されるため、重力に頼る必要がありません。そのため、配管の勾配は重力方式ほど厳密ではなく、より柔軟な配管設計が可能です。
まとめ
| 比較項目 | 重力循環方式 | ポンプ循環方式 |
| 復水の力 | 重力のみ | ポンプの力 |
| 返り管の取り付け位置 | ボイラーの最下部 | ポンプの吸い込み側 |
| 配管の設計 | 厳密な勾配が必要 | 比較的自由度が高い |
このように、返り管の取り付け位置は、ボイラーの循環方式と密接に関わっています。重力循環方式はシンプルさが利点ですが、配管の設計に制約が多くなります。一方、ポンプ循環方式は配管の自由度が高まりますが、ポンプという新たな機器が必要になります。どちらの方式も、それぞれの利点を生かすための合理的な設計に基づいているのです。



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